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Excel VBA2026-05-16

奇数列の無限積が √2 - 1 に収束することをExcel実験から確かめる

奇数列から作った無限積が √2 - 1 に近づく様子をExcelの数値実験で確認し、ガンマ関数と反射公式を使った証明の流れまで整理します。

ExcelVBA数学無限積数値実験

概要

Excelで奇数列を並べ、隣り合う奇数から作った分数を順に掛けていくと、部分積が0.41421356...へ近づいていくことがあります。 この値は√2 - 1と一致します。

この記事では、まず数値実験としてExcelで見える動きを確認し、そのあとで無限積として式を整理します。 最後にガンマ関数反射公式を使い、収束先が√2 - 1になる流れを追います。

Excelで見えた数値の動き

発端は、奇数列を少し特殊な順番で分子・分母に分け、それを掛け続ける計算です。

1/3 × 7/5 × 9/11 × 15/13 × ...

通常の1/3 × 3/5 × 5/7 × ...のような並べ方では、値の動きは別のものになります。 今回の検討では、奇数列を8n+18n+78n+38n+5という形で組み替え、次の無限積を見ています。

P = Π ((8n + 1) / (8n + 3)) × ((8n + 7) / (8n + 5))

Excelで項数を増やしていくと、計算値が徐々に0.41421356...へ近づきます。

奇数列の無限積が√2-1に収束する流れの解説図

この段階では、まだ「そう見える」という数値実験です。 数学的に言い切るには、無限に続く積の収束先を式で確認する必要があります。

無限積として見る

部分積をn個までで止めたものを考えると、Excelでは次のような確認ができます。

  • 項数を増やすほど値の変化が小さくなる
  • 上下に振れながら√2 - 1へ近づいていく
  • 0.41421356...の近くで安定する
  • √2 - 1との差が小さくなる

ここで重要なのは、Excelの計算結果は証明そのものではなく、証明したい形を見つけるための入口だという点です。 開発でも、まず具体的な出力を出してから、なぜそうなるかをコードや式で確認することがあります。 今回も同じで、Excelで見えた値をもとに、積の形を数学の公式で扱いやすくします。

ガンマ関数で積を整理する

奇数や分数が続く積は、直接そのまま扱うと見通しが悪くなります。 そこで、階乗を拡張したようなガンマ関数を使うと、連続した積をまとめて表せます。

まず各項から8をくくると、積は次のように整理できます。

P = Π ((n + 1/8)(n + 7/8)) / ((n + 3/8)(n + 5/8))

ガンマ関数には、ざっくり言うと次のような役割があります。

連続した積や階乗に似た形を、1つの関数の比として表す

これにより、奇数列から出てくる分数の積を、ガンマ関数の比へ変換できます。 今回の形では、次の比にまとまります。

P = Γ(3/8)Γ(5/8) / (Γ(1/8)Γ(7/8))

初心者向けには、ここでは「長い掛け算を、あとで公式にかけやすい形へまとめる道具」と捉えると十分です。

反射公式で三角関数へ落とす

ガンマ関数で整理した式は、さらに反射公式を使うことで三角関数の値へつながります。 反射公式は、ガンマ関数どうしの積をsinの式で表す公式です。

今回の流れでは、最終的にtan(π/8)という形が現れます。 途中の対応だけ書くと、次のようになります。

Γ(3/8)Γ(5/8) = π / sin(3π/8)
Γ(1/8)Γ(7/8) = π / sin(π/8)

P = sin(π/8) / sin(3π/8)
  = sin(π/8) / cos(π/8)
  = tan(π/8)

そして三角関数の半角公式から、次が成り立ちます。

tan(π/8) = √2 - 1

つまり、Excelで観察していた0.41421356...は、偶然ではなく√2 - 1収束していると説明できます。

Excel実験と証明をつなぐ意味

この例の面白いところは、Excelでの小さな検算が、数学的な構造の発見につながる点です。

最初からガンマ関数や反射公式だけを見ると難しく感じます。 しかし、先にExcelで部分積を並べておくと、次のように段階を分けて理解できます。

  1. 奇数列から分数の積を作る
  2. Excelで部分積を計算する
  3. √2 - 1に近づくことを見つける
  4. 無限積として式を整理する
  5. ガンマ関数と反射公式で収束先を確認する

これは、開発ノウハウの記事化でも使いやすい進め方です。 まず動くものや出力を見て、そこから再利用できる考え方、式、実装パターンへ落とし込むと、後から読み返しても使いやすい知識になります。

注意点

  • Excelの数値計算は、あくまで有限個の項までの近似です。
  • 項数を増やすと値は安定しますが、丸め誤差や表示桁数の影響は残ります。
  • √2 - 1に近いことを確認するだけでは証明にはならないため、無限積としての式変形が必要です。
  • ガンマ関数や反射公式は初見では難しいので、記事や説明図では「長い積を整理するための道具」として段階的に扱うと理解しやすくなります。

参考

まとめ

奇数列から生まれる積をExcelで検算すると、√2 - 1へ近づく様子を直感的に確認できます。 そこから無限積ガンマ関数反射公式へ進むことで、単なる数値の一致ではなく、なぜその値になるのかを説明できます。

開発や記事化の視点では、Excelの数値実験を入口にして、再利用できる数学的な考え方まで残しておく好例です。

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