はじめに
手数料や消費税に端数処理がある場合、単純に「予算 ÷ 1.055」のように割り算で逆算すると、1円ずれることがあります。
実務用の見積ツールでは、条件を満たす最大額または最小額を、整数円単位で探す方が安全です。
この記事では、ココナラ見積・手取り・予算逆算ツールで使った二分探索による逆算パターンを整理します。
使う場面
- 予算上限から提示可能な見積額を逆算する
- 目標手取り額から必要見積額を逆算する
- 税率、手数料率、四捨五入、切り上げ、切り捨てが絡む料金計算
- 単純な数式変形では正確な整数円に戻しにくい場合
考え方
予算から逆算する場合は、「見積額を入れて計算した結果が、予算以内か」を判定できれば十分です。
その判定を使い、0円から予算上限までの範囲を半分ずつ絞ります。
function calcFromBudget(buyerBudget, options) {
let left = 0;
let right = buyerBudget;
let answer = 0;
while (left <= right) {
const mid = Math.floor((left + right) / 2);
const result = calcFromEstimate(mid, options);
if (result.buyerTotal <= buyerBudget) {
answer = mid;
left = mid + 1;
} else {
right = mid - 1;
}
}
return calcFromEstimate(answer, options);
}
ここでは、予算内に収まる最大の見積額を探しています。
手取りから逆算する場合
目標手取りから逆算する場合は、条件が逆になります。
「手取りが目標以上になる最小見積額」を探します。
function calcFromNet(targetNet, options) {
let left = 0;
let right = Math.max(targetNet * 3, 10000);
let answer = right;
while (left <= right) {
const mid = Math.floor((left + right) / 2);
const result = calcFromEstimate(mid, options);
if (result.sellerNet >= targetNet) {
answer = mid;
right = mid - 1;
} else {
left = mid + 1;
}
}
return calcFromEstimate(answer, options);
}
重要なのは、逆算用に別の近似式を作らず、本計算関数をそのまま使って判定することです。
純粋関数と相性がよい
このパターンは、計算ロジックが純粋関数として分離されているほど扱いやすくなります。
詳しくは、計算ロジックを純粋関数に分離する設計で整理しています。
注意点
- 探索対象は円単位の整数にする
- 端数処理を含んだ本計算関数を使って判定する
- 目標手取りから逆算する場合は、十分な上限を確保する
- 金額が極端に大きい場合は、JavaScriptの安全な整数範囲に注意する
実例
ココナラ見積・手取り・予算逆算ツールでは、購入者支払上限から最大見積額を逆算し、目標手取りから必要見積額を逆算しています。
まとめ
税金や手数料の端数処理が入る料金計算では、割り算だけの逆算では1円単位でずれることがあります。
条件を満たすかどうかを本計算関数で判定し、二分探索で整数円を探すと、実務向けの逆算として安定します。
